サーボモーター

電子クラフト部では、毎回メンバーの方の中から得意分野や最新情報などの話題を中心にプチセミナーを開催しています。

今回、登壇して頂いたのはプログラマーの「福田 好一」さん。プログラムだけでなく、電子パーツや各種プログラミングを使った電子クラフト全般に明るい方です。

パーツの入手は主に中国の「AliExpress」や米国の「ebay」など海外サイトを使ってダイレクトに注文。毎日のようになにかしらのパーツが家に届いているそうです。

国内と中国のショップで売られている商品の価格差を比べると、できることならダイレクトに個人輸入したくなります。実際、最近のAmazonで注文してもショップによっては中国の深センから直に届きますので、実際の商品の品質等はどちらも大差ありません。しかし、いざ個人輸入しようとなると様々な不安が残ります。

・ほんとうにちゃんと届くのか?

・期間はどのくらい?

・品質に問題ない?

このため、結局国内ショップに頼ってしまう方も多いでしょう。

今回のプチセミナーでは、個人輸入での発注事情も含めながらロボット製作などによく使うサーボモーターにスポットを当てて、その種類や役割、中国からの入手についてや、掘り出し物の見つけ方などを教えていただきました。

サーボモーターの仕組みプチセミナー

まずは、モーターの種類、大まかに分けて4つに分類されます。

 

モーターの種類

AC(交流) モーター

ACモーター駆動

交流の電気を流すと動くモーターです。電動ドリルなどに利用されています。直流が中心となる電子工作のパーツとして使うことはほとんどありません。

 

DC (直流)モーター

DC モーター

直流の電気をかけることで回転するモーターです。模型などの駆動に使われています。
様々な種類が販売されており、ホビー用であれば乾電池1本で動かすことができます。

サーボモーター

 サーボモーター

指定した角度に止めることができるモーターです。
特定の角度まで動かした後に保持することができるため、タイヤのステアリングやロボットアームなど多義に使われています。
180度の範囲内で動かせるのサーボモーターが良く販売されています。

ステッピングモーター

 ステッピングモーター

ステッピングモーターは、細かな角度で回転が可能なモーターです。DCモーターでは細かな回転をさせることはできませんが、ステッピングモーターを使うことで、1度といった細かく回転する角度を指定できます。
4本または6本の配線を接続して、特定のパターンでオンオフを切り替えることで1ステップずつ回転できます。

なお、どのモーターであってもモーターに流れる電流が大きいため、Raspberry PiやArduinoといったマイコンボードに直接接続はできません。このため、トランジスタやFETやモータードライバーを別途用意する必要があります。

 

サーボモーターの仕組み

電子工作制作で使い勝手の良い小型で安価なサーボモーターの「SG-90」を分解してみました。

サーボモーターの仕組み

サーボモーターのねじを外すと中はギアとDCモーター、ICチップで構成されています。
コードは3本線が出ていて、赤は電源、茶色はGND、オレンジは制御用の信号線となっています。

SG-90のような安価なサーボモーターは、プラスチック製のギアが利用されています。このため、過度の力が加わったり、劣化することでギアの歯がかけてしまいます。
動かなくなったり、動作がおかしくなった場合は、ギアの歯が欠けてしまったことを疑いましょう。

なお、交換用のギア部分だけのパーツも購入可能です。分解して入れ替えることで正しく動作するようになります。

交換ギア

 

サーボモーターを買う

サーボモーターの入手は時間に余裕のある時はAliExpress(アリエクスプレス)がおすすめ。不良品など問題が起きた時の対応も悪くなくポイントやクーポン、バーゲンセールなどを使えばさらにお安く購入することができます。

送料も個数に関係なく無料のショップが多いですが、届くまでに時間がかかるため余裕を持った購入がおススメです。

例)SG-90の場合

国内価格400円(送別)程度で販売されているSG-90は、AliExpressでは1つ150円程度(送料無料)で購入可能です。配送は早くて1週間、ゆっくりで1ヶ月くらいです。なお、2ヶ月しても届かない場合は返金を受けられます(別途申請が必要)。

配送待ちの目安ですが、1000円以下の注文であれば到着までに時間がかかる傾向にあります。おおよそ1ヶ月待たされることもあります。

購入金額が1000円を超えると配送が早くなる傾向にあります。早くて1週間、遅くても2週間程度で到着します。このため、サーボモーターだけでなく他の部品を合わせて同じショップでまとめ買いすることをおすすめします。

ただし、ショップによって配送にかかる時間はまちまちですので、参考程度に考えてください。

 

サーボモーターを使う

サーボモーターは「PWM」というパルス波を出力して制御します。パルスの幅の長さによって角度を調節できます。

ArduinoやRaspberry Piなどのマイコンボードから制御する場合は、PWM出力を利用して制御することとなります。ただし、ソフトウェアでパルス波を作る方法ではパルスの幅が不安定となるため、サーボモーターが震えるような動作をすることがあります。このため、マイコンチップでPWMを作成するハードウェアPWMで制御すると挙動が安定する傾向にあります。
なお、ハードウェアPWMが出力できる端子は限られているため、複数のサーボモーターを制御するには向きません。

複数のサーボモーターを制御するのに役立つのが「サーボモータードライバー」です。多数の端子が用意されており、サーボモーターのコネクタを差し込むだけで配線ができます。制御はI2Cといったデジタル通信を利用するのが一般的です。

サーボドライバー
16チャネルを備えたサーボモータードライバ「PCA9685」

サーボモーターの紹介プチセミナーでは、このほかサーボモーターの商品別選び方についてや、壊れ方、ステッピングモーターのお買い得品を見つける方法などが紹介されていました。

プチセミナーの動画はFacebookのサッポロ電子クラフト部ページ内でメンバー公開されています。

札幌近郊にお住まいの方で、電子クラフトに興味のある方、また一度参加してみたいとお考えの方は「参加方法」をご覧になりお気軽にご参加ください。

By maeda